もた記

日常のあれこれ。好きなもののあれこれ。

読書の記録

何冊か本を読み終えたので、読書記録。

ちまちまと読んでいるので、一冊読み終えるにも時間がかかる。最近寒くなってきて、外に出るのも億劫なので、家で昔のアニメをみている。アニメもいいが、もう少したくさん本を読みたい。

 

 

 

『エレジーは流れない』 三浦しをん/双葉社

 

温泉街に暮らす、高校生の日常を切り取った物語。

 

暮らす環境や、それぞれの背景は違っても、結局高校生の頃ってみんなこういうこと考えるよね〜って懐かしい気持ちになった。「家族」とか「友情」とか、ありふれたテーマなんだけど、改めて面白くて暖かいなと思う。

高校生になるとやたら将来について考えさせられるのは、みんな同じなんだろうか。進路をどうするかとか将来何になりたいかとか、正直わかるわけないじゃんと思う。実際、わたしは高校生の時の自分の考え方の甘さや未熟さを恥ずかしいと思っているし。でも、そのモヤモヤを青春パワーでスッキリさせてくれる話だった。

 

キャラクターの個性が爆発していて、読みながらゲラゲラ笑える。読んだ後、あまりにも面白かったので母にも勧めた。

 

わたしはあれこれいろんな本を読まないで、特定のジャンルや作者の本ばかり選んで読んでしまう。三浦しをんは、中学生の頃から大好きな作家で、本屋でまだ持っていない作品を発見すると、必ず購入してしまう。でも、ハズレがないので後悔も無し!

三浦しをんは、お仕事小説(ある職業に焦点を当てて描かれた小説)が有名だけれど、日常の中でありふれた人間関係を丁寧に描く作品も面白い。あと、エッセイも最高。

 

 

 

『スクイッド荘の殺人』 東川篤哉/光文社

 

コメディっぽく、ギャグ満載で本格的な推理を楽しめる烏賊川市シリーズの最新作。

 

烏賊川市シリーズは、いい意味で何も考えずに楽しく読めるのでいい。重い雰囲気で本格的な殺人事件を解決していくようなミステリーも好きだけれど、たまにはこういうミステリーも息抜きになる。烏賊川市シリーズ自体も映像化もされているけれど、雰囲気としては『TORICK』っぽい。

今回の作品も、様子のおかしい人物しか出てこないし(探偵や警察含め)、ギャグ満載。「探偵!しっかりしろ!」と思いながら読み進めていたら、いつの間にか人が殺された……という感じ。

 

ミステリーが大好きなので、推理小説はよく読む。東川篤哉は『謎解きはディナーのあとで』を読んでから、いろいろ集めるようになった作家だ。『謎解きはディナーのあとで』の最新作も一緒に購入したので、次はそちらを読んでいこうと思う。

 

 

 

『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎/マガジンハウス

 

言わずと知れた有名な作品。なぜか読んでこなかったので、今更読んだ。

 

今更読んだけれど、個人的には今読んでよかったと思った。PTAの推薦書にもなっているようなので小学生や中学生で読む子どもが多いかもしれないが、何も考えずに読んでいい話ではない気がしたし、書かれていることを鵜呑みにはできないと思った。「君たちはどう生きるか」という問いかけに全てまとめられているような気がするが、この本の主人公であるコペルくんの体験を、私たちも間接的に体験しながら、じゃあわたしならどうするか?何が正しいのか?を考えなければ意味がない。

わたしは、今読んで、コペルくんの行動に疑問を持つ箇所がいくつかあった。ではわたしなら、何が正しいと思って、どうするだろう?

 

これを読んでから、哲学をもう少し勉強したいと思ったので、いい感じの哲学書を探している。冬休みに一時帰国する予定なので、本屋に行って探したい。

 

 

 

『赤ひげ診療譚』 山本周五郎/新潮社

 

母から「あなたが好きそうなので」と送られてきた、古い時代小説。「赤ひげ」と呼ばれる医者と出会い、変わっていくある医生の物語。

 

医療系の物語はほとんど読んだ事がなかったので、新鮮だった。中心は医療や、貧しい人々の暮らし、主人公である医生の成長だけれど、ひとつの社会について考えさせられる作品だった。時代小説なのに、現代にもかなり通じる部分があって、いいんだか悪いんだか……という気分。命以上に大切なものはなくて、その重さはみんな同じだという当たり前のことと、それはいつの時代も当たり前じゃなくなってしまっていること、それはなぜ?読みながら考えることが多かった。

 

父が黒澤明の映画のレーザーディスクをいくつも持っていて、大昔にこの小説を原作に作られた『赤ひげ』をみた記憶がある。内容は全く覚えていないので、機会があればこちらもみたい。

 

わたしの母は、買った本の裏に購入した日付と名前を書くことが多い。この本にもしっかり書いてあった。1982年……40年越しに娘の元にやってきた本!文庫本なのだが、今よりずっと字が小さくて値段も安い(280円って書いてある)。紙質も今より少しテカリがあるような。300円あればこの分量の本が買えたんだ……という不思議な気分になった。

 

 

 

『眠り人形』 向田邦子/文春文庫

 

「結婚」「家族」がテーマになった三篇の短篇集。

 

わたしは最後に収録されていた「当節結婚の条件」がいちばん印象に残り、内容も好きだった。今よりも女には結婚が付き纏ってきた時代なんだろうけれど、余計なお節介を家族に焼かれたり、職場であれこれ言われたりするのは今も変わらないのかも。しっかりもので、でもちょっとわがままな娘が愛おしい。

 

セリフがうまくて、読みながら情景がはっきりと浮かんでくる。ぐんぐん引き込まれる。ドラマの放送台本を小説にしたものらしいので、余計に情景が丁寧に描かれているのかも。終盤の娘と、飲み屋の女将さんのやりとりが素敵だった。電車の中で読んでいたのだけれど、泣くのを我慢できなかった。

 

向田邦子は母が好きで、これも母が送ってきた。わたしは向田邦子のエッセイが好きでよく読んでいたが、物語もおもしろいことを知った。実家に小説があるそうなので、次はそれを読む。

 

 

 

パソコンの調子が悪く、はてなブログに文章を書きたいのに書けなかった。文章を書かないと本当に日本語能力が低下しそう。パソコンが新しくなったので、気分も新たにがんばりたい。